【現地レポート⑩】“ シンカ ” が問われるダイヤの原石――石川・金沢#10大舘秀太
2022年12月25日
ウインターカップ2022に出場する選手はみんな「ダイヤの原石」である。そのなかでも少しだけ強く輝きを放つ原石がいる。
金沢 (石川) #10 大舘秀太選手――身長199センチのセンターは、本人曰く、ウイングスパンも 2 メートル 7 センチほどだという。上背の高さだけでなく、腕の長さも武器になるバスケットにおいては、今後が楽しみな選手のひとりと言っていい。
その大舘選手擁する金沢は、「SoftBank ウインターカップ2022 令和 4 年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の男子 2 回戦で、新田 (愛媛) を 93-61 で下した。その試合を大舘選手はこう振り返る。
「新田高校は走るチームですが、自分たちも走り込んできましたし、走り負けしないと確認して試合に入りました。結果的には、前半は走り勝てたと思うんですけど、後半は点差が開いていた分、自分たちに緩みが出て、走り負けていたところもあったので、明日にむけてしっかり修正していきたいと思います」
彼自身は29得点・20リバウンド。初戦の東北 (宮城②) 戦の25得点・10リバウンドに続いて、2 試合連続のダブルダブル達成である。
大舘選手は昨年も 1 年生としてウインターカップの舞台に立ち、メインコートを経験している。その後は父でもある大舘慶徳コーチと話し合い、インサイドだけでなく、アウトサイドのプレーの練習にも力を入れてきた。今大会ではまだ 3 ポイントシュートを決められていないが、試合を見る限りプレーのエリアは確実に広がってきている。
それだけではない。2 年生の彼は 3 年生に対しても、今は何すべきか、また、こうしてほしい、こうしようといった考えをはっきりと口にしている。
「昨年よりもチームの中心的な存在になってきているので、練習中から声を出すことやチームの雰囲気を上げることは心掛けています。チームとしても上級生、下級生の関係なく、言いたいことははっきり言うようにしているので、この試合でもいいコミュニケーションが取れたのだと思います」
結果として30点以上の差をつけた快勝は、ベンチに戻ったときだけでなく、コート上でも細かな修正点を選手間で言い合えたことが、その要因なのだろう。
明日の3回戦では帝京長岡 (新潟②) と対戦する。今年度は春先に一度、練習試合をしているだけ。そのときは一桁差ではあったが、金沢が負けている。
「ウインターカップの組み合わせが決まったときから、3 回戦の帝京長岡との試合が勝負どころだとチームで話していました。やはり彼らには高さのある留学生がいるので、自分が40分間戦って、チームを勝利に導きたいと思います」
昨年のベスト 8 から 1 年。明日の 3 回戦は金沢にとっても、大舘選手にとっても 2 つの “ シンカ ”―― 進化と真価 ―― の問われる試合になる。