ウインターカップ2022 第75回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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REPORT 現地レポート

【現地レポート⑪】東北覇者として戦い抜いた柴田学園。次は男女での全国出場を目指す

2022年12月25日

「前半はうまく攻めることができていたのですが、後半はポイントを絞られてしまいました。留学生に対しても、前半は守りでうまくいっていたけれど、後半に対応されてしまいました」

「SoftBank ウインターカップ2022令和 4 年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の 3 日目、3 回戦に臨んだ柴田学園大学附属柴田学園 (青森①) は岐阜女子 (岐阜) と対戦。前半はわずか 2 点ビハインドと接戦を演じたが、小野尚樹コーチの言葉どおり、後半に引き離されてしまい、62-74 で敗れた。

 今年の柴田学園は、夏のインターハイでは 2 年連続のベスト 8 入り。冬も2012年大会以来となるベスト 8 を目指したが、岐阜女子のディフェンスは予想以上に厚く、行手を阻まれてしまった。

「冬はどのチームも仕上がってきて、下級生も力付けてくる。その中で勝っていくのはなかなか厳しいですね。でも、もう一度、この舞台で上に行けるように頑張ります」と、小野コーチはウインターカップでの戦い方の難しさを語りつつ、次への意気込みを語った。

 それでも、今年のチームは 6 月に東北大会で初優勝。#6 佐々木杏花ら昨年からスターターを務める選手たちは、昨年のインターハイでの初のベスト 8 入りを含め、チームの歴史を塗り替えてきた。

 そんな 3 年生たちを、「入学当時から全国大会で上位に行こう、優勝しようと練習をしてきた選手たち。練習では本当に一生懸命に、目標も高く取り組んでくれました。それが後輩たちにも伝わっていると思います」と、小野コーチは 3 年生たちを称える。

 また、その頑張りは後輩たちだけでなく男子チームにも影響を与えているそうだ。

 柴田学園は2019年春に柴田女子から校名変更し、男女共学となった。それに伴い男子バスケット部も創部。そのため、女子部に割り当てられた練習時間は少なくなったのだが、「今は (使える面数は) コート一面。それでも 3 年生たちは集中して練習をしていて、その姿を後輩や男子に見せてくれています。今度は男女で一緒に全国大会に出たいと思います」と、小野コーチは言う。

 その歴史を作った中心選手の一人が佐々木杏花だ。オールラウンドに攻撃を仕掛けることのできるパワーフォワードで、今年の 7 月には U17 日本代表として「FIBA 女子 U17 ワールドカップ」に、そして 8 月末には 3×3 U18 日本代表として「FIBA 3×3 U18 ワールドカップ2022」にも出場した。

 3 回戦の岐阜女子戦でも、「日本代表で経験したことを少しは生かすことができた」と、相手の留学生センターに対して臆することなく体を当てていき攻防において奮闘。それでも、「自分の持っているものをすべて出すことはできなかったと思います。決めるべきところのシュートを決められなかったことや弱い自分がコートに出てしまったことが反省点です」と、目を潤ませた。

「東北大会の優勝など、いろいろな経験をさせてもらい、後輩たちにも何かを残すことができたと思います。すごく濃い 3 年間だったし、みんなで切磋琢磨して一つの目標に向かってきたので、バスケット人生で一番楽しかった 3 年間でした」と高校バスケを振り返った佐々木。

 目標の選手は同校の先輩にあたる中村優花 (富士通 レッドウェーブ) で、「自分の持てるすべてにおいてレベルアップができるように。中村優花さんに近づけるように頑張っていきたいです」と、最後は今後に向けての思いを力強く語って会場を後にした。

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