ウインターカップ2022 第75回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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【現地レポート⑫】チームを照らす太陽であれ──前橋育英#5神原太陽

2022年12月25日

 身体能力やセンスではなく、泥臭い部分で常にチームを勝たせる選択をする。そうやって活躍の場を見いだしてきた選手は何人もいるが、前橋育英 (群馬) の #5 神原太陽もその一人だ。

「SoftBank ウインターカップ2022 令和 4 年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」男子 2 回戦に臨んだ前橋育英は光泉カトリック (滋賀) との激戦を 71-67 で制し、3 回戦進出を決めた。

 昨日の 1 回戦でも城東 (徳島) と延長戦を戦った前橋育英だが、この 2 回戦も含めて決定打となったのはどちらも最終盤にねじ込んだゴール下。そして、2 試合連続でそれを決め切った張本人こそ神原である。

 城東戦では延長戦残り41.1秒にリードを 7 点に広げるバスケットカウント、そして今日の光泉カトリック戦では 3 点差の場面で #9 桜井空良のアシストから 5 点差とする価値ある得点だった。しかも、後者については試合を通して神原が決めた唯一のフィールドゴールである。

「今年のチームにはガードの #4 永井学翔をはじめシュートが入る選手がたくさんいます。彼らにパスをさばいたり打った後のリバウンド頑張ったり。相手がガード陣に詰めたところで合わせのプレーをすることなど、“ 勝つプレー ” を選択するようにしています」(神原)

 スタッツ (記録) では決して目立たない。今大会はスタメンでもない。しかし、重要な局面では必ずコートに立ち、ベンチにいるときも誰よりも声を出してチームを盛り立てる──。

 そんな神原の存在は間違いなくチームの支えとなっている。以下はキャプテン・永井の言葉だ。

「試合に出ているときに自分たちがプレーしやすいように声をかけてくれるのはもちろんですけど、ベンチにいるときも力強い声で盛り上げたり。コートに出ている選手たちは『こいつの分もやってあげなきゃいけないんだ』って気持ちになるので、彼はチームにとってやっぱり欠かせない存在だと思います」

 東京出身の神原は、中学時代にはジュニアオールスター (都道府県対抗ジュニア大会) に選ばれた実績もあるが、試合には出られなかった。だからこそ「サポートや声出しなどのできることを探してやっていたので、それが今に生きている」という。チームのことを誰よりも考える彼は前橋育英でもその姿勢を貫き、気づけばケミストリーの中心にいた。

 人を引きつけるような明るい子になってほしい──。両親が「太陽」という名に込めた思いだそうだ。その思いのとおり、彼はチームを照らすまばゆい「太陽」になった。

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