ウインターカップ2022 第75回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


チケットの購入

REPORT 現地レポート

【現地レポート⑭】「チームにとって貴重な財産になりました」と前回覇者に挑んだ初出場の阪南大

2022年12月26日

「自分たちの持っているもので戦うと、高さの部分で崩れてしまうケースがあると考え、戦術を変えてアプローチしました。ただ、普段あまり練習していない引き出しを使うことになって、(プレーが) 中途半端になってしまいました」

「SoftBank ウインターカップ2022 令和 4 年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の男子 3 回戦。初出場の阪南大学 (大阪) は前回覇者の福岡大学附属大濠 (福岡②) に挑んだが、森本正コーチが語ったように、出だしで福岡大附大濠の連続得点に遭い、いきなり後手に回ってしまう。初得点は試合開始から 5 分を過ぎてから。#13 櫻井千洋の 3 ポイントシュートが決まったが、その後も思うように得点を奪うことができず、第 1 クォーターを終えて 8-30 と大きなビハインドを負った。

 それでも第 2 クォーター以降は修正をかけながら対抗したものの、「大濠の選手たちが余裕を持ってバスケットをしている中でのマイナーチェンジなので、難しい展開が続いたと思います」(森本コーチ) と、追いつくまでには至らず。最後は 55-83 で敗れた。

「自分は小さいプレーヤーで、普段からスピードで行くことが多いのですが、スピードで抜けずに、いつもしないようなレイアップシュートをしてしまいました。(福岡大附大濠の) プレッシャーがあったかなと思います」と語ったのはガードの #11 嶋本昇太。チーム最多の17得点を挙げたものの、群を抜く高さを持つ福岡大附大濠の前に、チームとして思うような攻めができなかったと振り返った。

 今年は2017年以来となるインターハイに出場。そしてウインターカップでは接戦の府予選を制して初出場を果たした。

 チームは、今年から学校の新しい取り組みで留学生の受け入れが始まり、1 年生の #4 ンワンクォ チネドゥ ゴッツウィルが加入。「コロナ禍により彼が来たのが 5 月でしたが、3 年生が留学生と積極的に話をして、国際交流をしながらチームを引っ張ってくれました」と、森本コーチは言う。また、ゴッツウィルに関しても「すごく社交的で、日本の文化や規律がすばらしいと感じて、それを受け入れながら (バスケットに) 取り組んでいます。ユニークさも持っているので、彼が来て、さらにチームも明るくなりました」とも語った。

 ゴッツウィル自身、福岡大附大濠戦では相手の高さに苦しんだが、「自分より大きい相手とやる機会が少ない中で、すごくいい経験になったと思います」と森本コーチは言う。

 その森本コーチは、かつて大阪の東住吉工業の一員としてウインターカップでも活躍した選手。22年ぶりのウインターカップに「久しぶりで楽しかったです。演出などはすごく変わったと思うのですが、 (東京体育館の最寄り駅である) 千駄ヶ谷駅を見たときに帰ってきたなという感じがありました」と目を細める。さらに「私自身も 3 年生のときはウインターカップに出られなかったので、その思いも持ちながら、東京体育館に戻って来られたことがよかったです」と付け足した。

「新しい阪南のバスケットをスタートできた年なので、そういった意味ではウインターカップで 3 回戦まで戦うことができたことはチームにとってすごく貴重な財産になりました」と、森本コーチ。

 阪南大はかけがえのないウインターカップでの経験を糧に、さらなる強化を図っていく。

NOW LOADING

TOP